第61回全日本吹奏楽コンクール 平成25年10月27日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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高校・後半の部 |
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1 | 東海 静岡県 浜松海の星高等学校 (指揮/土屋史人) ※2年連続2回目 | ![]() |
3/いにしえの時から (J.ヴァン=デル=ロースト) | ||
透明感のあるサウンドで、楽器の発音もクリアで美しく心地よい演奏でした。課題曲はグルーヴ感も十分で溌剌とした仕上がりでしたが、Saxソロにはもう少し主張が欲しかったです。自由曲ではオーボエ、バスーンの4名を中心としたアンサンブルが見事でした。金管群も発音が明瞭でキレのあるサウンドを披露。ユーフォニアムのソロは秀逸。初出場の昨年に比べて格段にバンドの力がアップしていると感じました。スピード感、躍動感あふれる秀演でした。 | ||
2 | 中国 山口県 山口県立防府西高等学校 (指揮/野上慎二郎) ※2年ぶり2回目 | ![]() |
3/交響詩「ローマの祭り」より 十月祭、主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人) | ||
ゴージャスなサウンドで、キレのあるリズム・ノリが素晴らしい演奏です。Saxソロは非常に甘い音色で存在感が抜群。全体として楽曲の感銘度が高いと感じた演奏でした。自由曲では明るいサウンドで曲想をしっかり捉えた若さあふれる演奏でした。楽器は良く鳴っており、吹き過ぎることもなくバランスの良い伸びやかな音がホールに響いていたと思います。小細工の無いストレートな音楽が印象的でした。 | ||
3 | 東京 東京都 東京都立片倉高等学校 (指揮/馬場正英) ※3出休み明け10回目 | ![]() |
3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/甘粕宏和) | ||
課題曲はシャープなサウンドで抜群のノリを聞かせました。A.Saxソロは若干のポルタメントを入れ妖艶な雰囲気を醸し出していました。(課題曲改変的にギリですかね。) タンバリン奏者が本当に楽しげで印象的でした。自由曲「役人」は普段あまり演奏されない部分を抜粋しており、大変新鮮に聞きました。楽曲への積極的なアプローチ、キレのあるサウンドが素晴らしかったです。(ピアノ奏者のオーバーアクションはやり過ぎでした…) | ||
4 | 北陸 石川県 石川県立金沢桜丘高等学校 (指揮/安嶋俊晴) ※2年連続3回目 | ![]() |
5/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/小澤俊朗) | ||
冒頭から小細工のない自然な流れを保ち、すっきりとクリアなサウンドが素晴らしかったです。後半で音の厚みが増してくると雑然となる部分もあり音楽が発散してしまったようにも思います。自由曲では透明感のあるサウンドで聞かせました。オーボエ、フルートのソロはソツなくこなしましたが、全体的に表情が平板でした。妖艶な雰囲気を醸し出すまでには至らなかったように思いました。 | ||
5 | 九州 沖縄県 沖縄県立コザ高等学校 (指揮/金城敦子) ※4年ぶり2回目 | ![]() |
4/シダス (T.ドス) | ||
軽快なマーチでした。若干クラリネットが前のめりになったのが気になりましたが、良く響くビートにのって自然な歌い方の旋律が素晴らしかったです。派手さはありませんが、バンド自体の機動力が素晴らしくまとまりがありました。自由曲では輪郭のハッキリしたシャープなサウンドを披露。冒頭からの息の長いアンサンブルが素晴らしく、オーボエやイングリッシュホルンのソロも表情豊かです。安定感のある金管群を土台した輝かしいサウンドが見事でした。 | ||
6 | 東関東 千葉県 習志野市立習志野高等学校 (指揮/石津谷治法) ※2年連続27回目 | ![]() |
2/歌劇「イーゴリ公」より 出陣の合唱、ポーロヴェツ人の踊り (A.ボロティン/石津谷治法) | ||
このバンドだけなぜこんなサウンドが出せるのか不思議ですね。優美なサウンドに魅せられます。課題曲では落ち着きのあるファンファーレでスタート。旋律の歌い方も実に優雅で、余裕が感じられます。自由曲でも他団体とは一線を画したサウンドで実に素晴らしい演奏でした。おなじみのオーボエ、イングリッシュホルンのソロも秀逸で、音楽の流れにも違和感がなく、至福の時間でした。全体として「サウンド」だけで真っ向勝負できる数少ないバンドだと思いました。昨年の雪辱を果たして、21回目の金賞受賞です。 | ||
7 | 西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校 (指揮/奥章) ※3出休み明け22回目 | ![]() |
5/歌劇「タイス」より (J.マスネ/宍倉晃) | ||
重厚で洗練されたサウンドです。課題曲では多少、輪郭のぼやける所もありましたが、各パートのフレージング、受け渡しが実にスムーズですね。難曲をそう感じさせないところがこのバンドの凄いところでしょう。自由曲では色彩豊かなサウンドで幻想的な雰囲気をしっかり表現しています。打楽器群が頑張り過ぎてバンドの音を消してしまう箇所もありちょっと残念でしたが、有名な「瞑想曲」も含まれたスペシャルアレンジで、完成度・感銘度の高く聴衆を大いに沸かせました。17回目の金賞受賞です。 | ||
8 | 北海道 札幌地区 札幌日本大学高等学校 (指揮/木田恵介) ※2年連続2回目 | ![]() |
5/交響曲第5番より 第4楽章 (D.ショスタコーヴィチ/C.ライター) | ||
流暢な語り口で主張の感じられる演奏でした。強奏になると発音が硬くなりサウンドも硬く荒くなってしまったのが残念。自由曲は良くそろった金管セクションが好演ですが、全体的に鳴らし過ぎです。ff〜fffになると音が開いてしまい、音色が犠牲になる部分もありました。ホルンソロは落ち着いており好演。続く木管群のアンサンブルも良かっただけに、その後のカットが残念でなりません。良く知られている作品だけにカットには注意したいところで、曲を聞き終わった後にスッキリ感がなく物足りなさを感じました。 | ||
9 | 関西 大阪府 近畿大学附属高等学校 (指揮/小谷康夫) ※2年連続2回目 | ![]() |
3/宇宙の音楽 (P.スパーク) | ||
非常にキレのあるシャープなサウンド。多少荒さもありましたが若さあふれる課題曲でした。全体的に音が直線的でブレンド感に乏しいと感じます。自由曲では、冒頭のホルンソロが堂々たる演奏でブラボーです!細かいパッセージを含めて難しい曲を良く練習してあると思いますが、紙一重で「荒く・汚く」感じる部分が見受けられました。スケールの大きい作品ですが、演奏に余裕が感じられず、息切れ感があったのが残念。ラストのまとまりは見事で、美しいサウンドを聞かせました。 | ||
10 | 東海 愛知県 光ヶ丘女子高等学校 (指揮/日野謙太郎) ※3年連続12回目 | ![]() |
5/サンタ・カテリーナ 〜キリストとの出会い〜 (田村文生) | ||
Tuttiのまとまりが今一つと感じました。全体的に発散気味のサウンドで雑然とした印象です。短い音の響きが乏しくフレーズが断片的で、結果的に音楽の流れを遮ってしまったようでした。自由曲は大変難しい作品ですね。毎回、新しい作品への挑戦、新曲開拓をしていく姿勢は素晴らしいと思います。色彩感豊かで万華鏡のように目まぐるしく色や形を変えていくサウンドが魅力的。各ソロも安定しており秀逸です。強奏部分では紙一重で荒さも目出ち、サウンドが金属的な響きになるところもありました。 | ||
11 | 東北 福島県 福島県立湯本高等学校 (指揮/橋本葉司) ※3年連続9回目 | ![]() |
5/バレエ音楽「ヨゼフ伝説」より (R.シュトラウス/高木登古) | ||
Tuttiのサウンドが雑然としており、まとまりに欠けました。課題曲の各パートの歯車が少しずつ噛み合っていないようで、音楽の流れが良くなかったように思います。少々不完全燃焼といった印象でした。自由曲は目の覚めるような美しいサウンド。色彩感溢れる演奏で洗練されたアンサンブルを聞かせ、品のある格調高い仕上がりだったと思います。特にラストの金管セクションは秀逸。圧巻でした! | ||
12 | 四国 愛媛県 愛媛県立北条高等学校 (指揮/池田努) ※2年ぶり5回目 | ![]() |
3/交響詩「ローマの祭り」より チルチェンセス、主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人) | ||
サウンドの線が細く、この曲のもつ快活な雰囲気を出せていません。せっかくのSaxソロもバンドに埋もれてしまい存在感を示せませんでした。全体的にピッチが不安定だったところも気になりました。自由曲ではTrp3人がステージ下手前方にバンダ隊を結成、ファンファーレは見事に聞かせましたね。チルチェンセスでは高音部分のまとまりが悪く作品全体の印象をも損なっています。スピード感や躍動感はありますが、荒っぽい粗野な演奏になってしまったのが残念です。 | ||
13 | 九州 福岡県 精華女子高等学校 (指揮/藤重佳久) ※3年連続18回目 | ![]() |
4/フェスティバル・ヴァリエーション (C.T.スミス) | ||
明るく輝かしいサウンド。よく鳴りますが、しっかりコントロールされていてバランスが素晴らしいです。安定した伴奏群と湧き上がるような旋律が見事に融合しています。トリオのピッコロソロも質が高いですね。自由曲は堂々たるホルンのファンファーレが見事。ピッコロソロはもちろんTrpのソロも秀逸です。強奏でも弱奏でもブリリアントな響きを損なわないところが素晴らしく、演奏に引き込まれてしまいました。ブラボーという言葉しか出てきません。見事、3年連続9回目の金賞受賞です。 | ||
14 | 関西 大阪府 大阪府立淀川工科高等学校 (指揮/丸谷明夫) ※3年連続34回目 | ![]() |
4/大阪俗謡による幻想曲 (大栗裕) | ||
クリアでキレのあるサウンドで小細工のない正攻法の演奏でした。各パートが良く聞こえてきており、特に木管群の透明感が素晴らしいと思いました。自由曲は十八番。この曲を掌握しきった指揮者に操られ、神がかり的なアンサンブルを披露してくれます。中間部のオーボエソロは恍惚とした音色で説得力のある演奏。大阪人のDNAをそのまま音にした演奏で、誰にも文句は言わせないといわんばかりの主張を感じました。26回目の金賞です。 | ||
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |