第70回全日本吹奏楽コンクール 令和4年10月29日(土)/北九州ソレイユホール |
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大学の部 |
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1 | 北陸 富山県 富山大学吹奏楽団(指揮/建部知宏) ※2年連続12回目 |
3/交響曲第5番より 第4楽章(D.ショスタコーヴィチ/上埜孝) | |
2017年から5大会連続出場。交響曲第5番はロシア革命20周年に初演された作品だったため、日本では商業用の副題として「革命」と表することが多いですが、ショスタコーヴィチ自身はそのような名付はしていないそうです。70年代には数多く全国大会に登場しており、大学部門では2017年(福岡工業大)以来5年ぶりの登場です。未だ北陸代表から金賞は出ていません。これまで銀賞6回、銅賞5回を受賞しています | |
2 | 東北 宮城県 東北福祉大学吹奏楽部(指揮/荒井富雄) ※2年連続13回目 |
2/交響曲第5番より 第4楽章(D.ショスタコーヴィチ/上埜孝) |
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奇しくもプログラム1番・2番が同じ自由曲(編曲者も同じ)となりました。同大学はこれまで八木澤作品を中心とした邦人作品を多く取り上げてきており、全国大会で管弦楽作品を演奏するのは2000年の初出場「中国の不思議な役人」以来22年ぶりです。指揮の荒井氏は昨年から東北福祉大を指揮されており、今年は職場一般の泉シンフォニックWOも指揮されるので大忙しですね。東北代表による金賞は1996年(東北学院大)を最後に出ていません。これまで銀賞9回、銅賞3回を受賞しています | |
3 | 九州 福岡県 日本経済大学吹奏楽部(指揮/柴田裕二) ※初出場 |
3/「トリトン」より(長生淳) | |
福岡大学や活水女子大といった強豪を抑えての初代表。2019年から柴田氏を指揮者として迎え、2021年支部金、2022年全国初出場と駆け上がりました。柴田氏は2002〜2018年の間、福岡工業大学を指導し全国大会14回出場(金賞を5回)するなど素晴らしい実績を残されてきました。今回で全日本15回出場「長年出場指揮者賞」受賞の記念の年を金賞で飾れるでしょうか。「トリトン」は、東邦音楽大学の学園創立70周年を記念委嘱作品で、全国大会では「トリトン・デュアリティ」「トリトン・エムファシス」が演奏されていますが、本家の「トリトン」は今回が全国大会初演です。 | |
4 | 東海 愛知県 愛知教育大学吹奏楽団(指揮/小松孝文) ※14年ぶり6回目 |
2/復興(保科洋) | |
今年初めて東海代表枠が1から2に増えました。常連の静岡大学に次ぐバンドがどこになるか注目されるなか、愛知教育大が14年ぶりの全国代表を射止めました。同大学は順位制表彰の1960年代において東海代表の常連バンドでした。復興は2010年にヤマハ吹奏楽団によって全国大会初演され、その後自由曲レパートリーとして広まってきた作品です。今年も各地で非常に多く演奏されていますね。これまで銅賞1回を受賞しています。 | |
5 | 西関東 埼玉県 文教大学吹奏楽部(指揮/佐川聖二) ※3年ぶり28回目 |
3/リベラシオン(天野正道) | |
昨年はコンクール不参加で、3年ぶりの全国復活です。リベラシオンとはフランスの日刊紙の名称で、福井県北陸高による委嘱作品。今年、酒井根中、柏高、文教大によって全国大会初演となります。同校が過去に6回天野作品を取り上げており、全て金賞を受賞しています。「佐川氏+文教大+天野作品」という鉄板の組み合わせで20回目の金賞を達成できるでしょうか。これまで金賞19回、銀賞8回を受賞しています。 | |
6 | 関西 京都府 龍谷大学吹奏楽部(指揮/若林義人) ※2年連続23回目 |
5/アスファルト・カクテル(J.マッキー) | |
「アスファルト」は名取交響吹(2014)、北教大函館(2015)、秋田吹(2019)以来、3年ぶり4回目の登場です。作者マッキーがニューヨーク滞在中に受けた街の印象から作曲された作品で、大都会の賑わいや喧騒を巧みに表現したものになっています。2016年12月の同大学の定期演奏会でも披露されており、龍谷大学のYoutubeチャンネルにもその映像がアップされています。興味のある方は是非。これまで金賞12回、銀賞10回を受賞しています。 | |
7 | 四国 徳島県 四国大学吹奏楽部(指揮/) ※2年連続6回目 |
1/クロスファイア・ノヴェンバー22(樽屋雅徳) | |
2016年の初出場から連続出場。「クロス・ファイア」は、1963年11月22日、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディがダラス市内をパレード中に銃撃された事件をテーマにした作品です。冒頭から「謎」と「陰謀」と「ケネディの大統領就任」を表現し、賛美歌を奏で再び深い「謎」へ展開するという構成です。7月の安倍元首相の銃撃事件が記憶に新しい今、演奏する側も聴く側も色々と考えさせられる作品だと思います。これまで銅賞5回を受賞しています。 | |
8 | 中国 山口県 山口大学文化会吹奏楽部(指揮/松田和寛) ※3年ぶり10回目 |
4/歌劇「トゥーランドット」より(G.プッチーニ/後藤洋) | |
昨年、広島大学に5大会連続出場を阻止され、雪辱を果たしての代表復活です。大学部門では唯一の課題曲4。「トゥーランドット」は自由曲レパートリーとして広く定着し、全国大会でも毎年のように耳にする作品ですが、意外にも大学部門では今回が初登場のようです。これまで中国代表の金賞は2003年の広島大学が唯一となっています。これまで銀賞5回、銅賞4回を受賞しています | |
9 | 九州 福岡県 福岡工業大学吹奏楽団(指揮/松井裕子) ※2年連続21回目 |
5/宇宙の音楽(P.スパーク) | |
「宇宙の音楽」は元々はブラスバンド作品として2004年に発表され、後にスパーク自身によって吹奏楽版が発表されました。実は吹奏楽版の世界初演は大阪市音楽団によって05年に行われ、以降自由曲レパートリーとしても広まりました。大学部門では2013年に関西学院大が取り上げて以来、9年ぶり2回目の登場です。これまで金賞5回、銀賞14回、銅賞1回を受賞しています。 | |
10 | 東関東 神奈川県 神奈川大学吹奏楽部(指揮/小澤俊朗) ※2年連続49回目 |
5/ピース、ピースと鳥たちは歌う(伊藤康英) | |
金賞31回はブリヂストン、ヤマハ、淀川工科高に次ぐ4番目の受賞回数。コンクールで伊藤康英作品をやるのは今回が初となりますね。「ピース〜」は創価大学パイオニア吹奏楽団の委嘱作品で2019年に全国大会初登場した作品。パブロ・カザルスの「鳥の歌」に啓発を受けて作曲された作品です。終曲部でのトランペット&トロンボーンセクションの立奏に注目です。今年は松陽高、神奈川大、創価学会関西吹の3団体が取り上げています。これまで金賞31回、銀賞10回、銅賞1回を受賞しています。 | |
11 | 東京 東京都 創価大学パイオニア吹奏楽団(指揮/伊藤康英) ※2年連続8回目 |
3/コラール前奏曲「おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」による幻想曲(伊藤康英) | |
今年は代表枠が1になってしまった東京支部を勝ち抜きました。「コラール〜」は浜松市立高校吹奏楽部委嘱作品で2013年に初演されました。元々は浜松の航空自衛隊中部音楽隊委嘱作品「コラール幻想曲(02初演)」を再構成し短縮した作品となっており、全国大会では札幌大(14年)、百萬石WO(15年)以来7年ぶりの登場となります。作曲者伊藤氏本人の指揮による演奏でもあり、非常に期待です。これまで金賞4回、銀賞3回を受賞しています。 | |
12 | 北海道 函館地区 北海道教育大学函館校吹奏楽団(指揮/三笠裕也) ※2年連続27回目 |
3/秘儀VIII 〈地響天籟〉(西村朗) | |
毎回意欲的な選曲をするバンドで個人的にも期待しているバンドです。地響天籟は、「ちきょうてんらい」と読み、吹奏楽のための〈秘儀〉シリーズの第8作目になります。陸上自衛隊中央音楽隊創隊70周年記念委嘱作品で、2021年7月の同音楽隊第163回定期演奏会にて初演されました。今回が全国大会初演となります。北海道代表の金賞は2001年の札幌大学が唯一となります。銀賞16回、銅賞10回を受賞しています。 | |
13 | 東海 静岡県 静岡大学吹奏楽団(指揮/三田村健) ※2年連続19回目 |
3/いにしえの時から(J.ヴァン・デル・ロースト) | |
2005年から3出休を除いては代表の座を明け渡したことがありませんね。「いにしえ…」はもともとブラスバンド作品で、2010年に吹奏楽版が日本で世界初演された作品です。ヴァン・デル・ロースト作品は「スパルタクス」や「モンタニャール」が人気ありますが、本作品は全国大会では過去3団体しか演奏しておらず、今年は精華女子と静岡大学が取り上げます。東海代表の金賞受賞は1991年の三重大が最後となります。これまで銀賞14回、銅賞4回を受賞しています。 | |