第63回全日本吹奏楽コンクール 平成27年10月24日(土)/札幌コンサートホール Kitara |
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大学の部 |
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1 | 東京 東京都 東海大学吹奏楽研究会 (指揮/福本信太郎) ※5年連続8回目 | ![]() |
5/遥か天鵞絨(朴守賢) | ||
課題曲では輪郭が不鮮明で、Tuttiのブレンド感ももう少しと感じました。自由曲では課題曲と同じような作品だったせいもあり、全体的にプログラムに変化が感じられませんでした。難しい作品に臨み、高いアンサンブル力で、非常に洗練された演奏を披露しましたが、12分間通していまひとつ東海大学の魅力が伝わらなかったような印象でした。しかし、銅賞評価はちょっと酷な感じがします。 | ||
2 | 関西 京都府 龍谷大学吹奏楽部 (指揮/若林義人) ※2年連続19回目 | ![]() |
3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より(B.バルトーク/上埜孝) | ||
オーボエ・フルートが雛壇のトランペットの横にセットされるという非常に面白いセッティングでしたが、それが効果的だったかは疑問です。課題曲では隅々までアナリーゼし、音楽に余裕さえ感じる仕上がりでした。セッティングのせいでしょうかホルンパートがバンドから分離して聞こえる気がしました。自由曲でも隅々まで研究された後が伺えました。この難しい作品を大変手慣れた演奏で纏め上げていました。Tuttiでのバランスが崩れる場所がありましたが、全体的には聴衆を沸かすような熱演でした。5年ぶり9回目の金賞受賞です。 | ||
3 | 九州 福岡県 福岡工業大学吹奏楽団 (指揮/柴田裕二) ※2年連続15回目 | ![]() |
5/楓葉の舞(長生淳) | ||
バンドのサウンドがクリアな演奏でした。非常にキレがあり、アンサンブル技術の高さも十分に感じる好演です。自由曲でも高い技術力を見せつけメリハリのある構成で非常に楽しめる演奏でした。コンクールという性格上、審査員にどう印象付けるかは大きな課題だと思います。難曲ともいえる長生作品の魅力を審査員に伝えるには相当のパワーが必要なのだと感じました。 | ||
4 | 東海 静岡県 静岡大学吹奏楽団 (指揮/三田村健) ※3年連続13回目 | ![]() |
3/歌劇「エレクトラ」より エレクトラの勝利の踊り(R.シュトラウス/田村文生) | ||
課題曲では冒頭の木管アンサンブルの流れが悪く、多少不安定な出だし。全体的にも金管セクションの抜けが悪い印象受けました。各パートはよく演奏されていると思うのですが、パート間のフレーズの受け渡し等、微妙に歯車が噛み合わないまま終曲してしまったようです。自由曲でもやはり音楽の流れがスムーズではなく、全体的に雑然としており、この曲の持つ魅力を十分に伝えるには今一つという印象でした。 | ||
5 | 九州 福岡県 福岡教育大学吹奏楽部 (指揮/井上遼) ※2年ぶり9回目 | ![]() |
2/コリアン・ダンス(高昌帥) | ||
やわらかなサウンドのバンドです。課題曲のマーチでは躍動感がもう少し欲しい気がしました。マーチのドライブ感に欠け、またこの作品をどう表現したいのか不明瞭で、全体的に中途半端な印象受けました。自由曲では、イングリッシュホルンが素晴らしいソロを聞かせました。ソリストの主張がよく感じられる演奏でした。全体的には安全運転気味な演奏だったのが残念。もう少しアグレッシブでもよかったのではと思います。 | ||
6 | 東北 山形県 山形大学吹奏楽団 (指揮/東海林達郎) ※9年ぶり4回目 | ![]() |
3/サスパリラ 〜ウェスタンリキュール、西部男の白日酔夢〜(J.マッキー) | ||
輪郭のあるクリアなサウンドで心地良い演奏でした。この作品とバンドのサウンドとの相性が良く合っており、好演だったと思います。自由曲は初めて聴く曲でしたが、変化に富んだ大変面白い作品でした。ソロの部分とtuttiでのサウンドに変化を持たせると、さらにソロが魅力的に聞こえると思います。スピード感と色彩感が良く出ており、大学生らしい若さを感じる演奏で楽しめました。 | ||
7 | 北陸 富山県 富山大学吹奏楽団(指揮/建部知弘)※4年連続7回目 | ![]() |
2/テレプシコーレ(B.マーゴリス) | ||
心地よいテンポと適度なドライブ感のあるマーチでした。音の発音が美しく立ち上がりが非常に鮮明なので、Tuttiでのサウンドにも透明感が感じられます。自由曲では色彩豊かで変化に富んだ演奏を聞かせました。細かいことを言えばミストーンやアンサンブルの乱れも多く見受けられましたが、奏者の音楽表現に対する姿勢が積極的で、全体的には感銘度の高い印象受けました。特にユーフォニアムのソロはバンドから湧き上がるような素晴らしい音色で、大変秀逸でした。ブラボーです! | ||
8 | 北海道 函館地区 北海道教育大学函館校吹奏楽団 (指揮/三笠裕也) ※6年ぶり22回目 | ![]() |
3/アスファルト・カクテル(J.マッキー) | ||
課題曲では各パートのサウンドがクリアでうまく整理されている演奏でした。しかし全体的には表現がおとなしく、もう少し主張が感じられると良かったと思います。こじんまりとしてしまい、この作品のもつ強烈な個性を表現するには至らなかったようです。自由曲ではサウンドが一転し、音楽が生き生きとしていたと思います。終曲に向かうバンドの高揚感が見事で、聴衆を沸かせました。 | ||
9 | 中国 岡山県 川崎医療福祉大学ウインドオーケストラハートフルウインズ(指揮/岩田俊哉)※3年ぶり8回目 | ![]() |
3/オーロラは目覚める(J.マッキー) | ||
課題曲は作品としてうまくまとめてありました。発音も美しくサウンドに透明感がありました。自由曲はおおらかなサウンドと安定感のある演奏でした。木管・金管・打楽器のバランスが良く、色彩的な音楽にまとめ上げていました。2曲通して、どこか中途半端でこじんまりとした印象です。さらにもう一段音楽への積極性と、このバンドならではの「独自性」が欲しいと感じました。 | ||
10 | 西関東 埼玉県 文教大学吹奏楽部 (指揮/佐川聖二) ※4年連続23回目 | ![]() |
3/シネマ・シメリック(天野正道) | ||
課題曲の解釈は個人的には好みではありませんが、筋の通った音楽は見事。何よりもサウンドが非常に美しく他のバンドとは一線を画していたと思います。豊かで色彩感溢れるサウンドは自由曲でより一層光を放ちました。横溝正史の映画作品のプロローグを思わせるような世界感に一気に引き込まれました。隅々まで実に見事に歌い込まれ、文教大学の実力を十分に発揮できた演奏だったと思います。感銘度が高く、会場の空気を変えました。2年ぶり15回目の金賞受賞です。 | ||
11 | 東関東 神奈川県 神奈川大学吹奏楽部 (指揮/小澤俊朗) ※3年連続43回目 | ![]() |
5/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/小澤俊朗) | ||
課題曲では細かくアナリーゼされ、隅々まで隙のない緻密なアンサンブルを披露しました。現代曲も難なく演奏し、しかもそこに難しさを感じさせないところがこのバンドの魅力だと思います。自由曲「サロメ」はほぼ完璧な仕上がり。指揮者がこの曲の全てを掌握しており、プレーヤーもしっかりとそこに応えています。各ソリストも秀逸で、この曲の持つ魅力を十分に引き出していました。3年連続27回目の金賞受賞です。 | ||
12 | 関西 大阪府 近畿大学吹奏楽部 (指揮/森下治郎) ※5年連続31回目 | ![]() |
5/久堅の幹(長生淳) | ||
よく響くこのKitaraでは、課題曲ではボリューム的には出しすぎの印象がありましたが、大変明るいサウンドで大学生らしい若さを感じました。一つ前の神奈川大学と同じ課題曲ですが、バンドのカラーが全く異なるのは面白いですね。自由曲ではtuttiの上で気持ちよく響くピッコロが非常に印象的。バンド全体の音楽に対する方向性がきっちりと会っているので気持ちよく音楽を聴くことができました。全体的にはトランペットセクションが非常に秀逸で、バンドをうまく引っ張っていたと思います。4年ぶり20回目の金賞受賞です。 | ||