第66回全日本吹奏楽コンクール
    平成30年10月21日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール

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    高校・後半の部

    1東関東 千葉県 柏市立柏高等学校(指揮/石田修一) ※7年連続29回目

    1/ジュウ・シメリック(天野正道)

    バレエ・シメリック、シネマ・シメリックに続くシメリックシリーズの3作目。天野氏自身の生誕60周年アニヴァーサリー・コンサートツアー川崎公演で土気シビックWOによって初演されました。このシメリックとは、「架空の」という様な意味で、ジュウ・シメリックは「架空のゲーム、芝居、遊戯」といった意味とのことです。支部大会の演奏を聞きましたが、まるでRPGの音楽を聞いているような印象を受けました。これまで金賞17回、銀賞10回、銅賞1回を受賞しています。


    2東北 福島県 福島県立磐城高等学校(指揮/橋本葉司) ※6年連続19回目

    5/歌劇「ばらの騎士」組曲より(R.シュトラウス/高木登古)

    昨年の「エレクトラ」に続いてのR.シュトラウス作品です。「ばらの騎士」は三幕からなるオペラで、演奏時間は3時間を超える大作で1910年に完成しました。シュトラウス作品の自由曲のレパートリーとしては「サロメ」「ティル〜」「アルプス交響曲」の登場回数にはは及ばず、全国大会での登場は過去5団体のみという、ある意味レアな作品でもあります。これまで金賞6回、銀賞11回、銅賞1回を受賞しています。

    3四国 香川県 香川県立坂出高等学校(指揮/田所博) ※2年連続4回目

    4/復興(保科洋)

    「復興」はヤマハ吹奏楽団創立50周年記念委嘱作品であり、2010年1月に同バンドにより初演されました。同年、ヤマハが全国大会初演した後、爆発的に人気を博した作品で、2012年以降は毎年支部大会で20団体以上によって演奏されています。2010年から毎年全国大会にも登場しており、自由曲としても定番化してきました。四国代表の金賞は過去に伊予高(91年)、土佐女子高(98年)の2団体しかありません。これまで銅賞3回を受賞しています。

    4九州 福岡県 精華女子高等学校(指揮/櫻内教昭) ※3年連続22回目

    4/ブリュッセル・レクイエム(B.アッペルモント)

    指揮者が櫻内先生に変わられてから、毎年新しい作品を取り上げるようになりましたね。「ブリュッセル〜」は2016年3月にベルギーの首都・ブリュッセルの空港と駅において発生した連続爆破テロ事件への鎮魂曲です。昨年発表された作品ですが、今年のコンクールでは各支部大会で6団体が取り上げ、そのうち3団体(上磯中、精華女子高、名取交響吹)が全国大会に進みました。これまで金賞12回、銀賞9回を受賞しています。

    5東海 静岡県 浜松聖星高等学校(指揮/土屋史人) ※4年連続6回目

    1/吹奏楽のためのチルチェ(高昌帥)

    2015年・バラッド、2016年・エッセイ、2017年・協奏曲に続き4年連続での高昌帥作品での出場となりました。チルチェはマインドスケープと同様、A-Winds 奈良アマチュアウィンドオーケストラ委嘱作品で、朝鮮半島の伝統音楽に用いられるリズムパターンのひとつの名称だそうです。今年3月の響宴でも演奏されました。これまで銀賞3回、銅賞2回を受賞しています。

    6中国 島根県 出雲北陵高等学校(指揮/原田実) ※4年連続12回目

    5/ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ(天野正道)

    「ラ・フォルム〜」は創価グロリア吹奏楽団の委嘱作品で2003年に発表されました。フランス語の楽曲名は「それぞれの愛のかたちは万華鏡のごとく移り変わる」という意味。ドラマティックな楽曲で個人的に大好きな作品です。2011年を最後に金賞から遠ざかっています。これまで金賞2回、銀賞4回、銅賞5回を受賞しています。

    7東関東 千葉県 習志野市立習志野高等学校(指揮/石津谷治法) ※7年連続32回目

    2/組曲「展覧会の絵」より
    プロムナード、テュイルリーの庭、バーバ・ヤガー、キエフの大門(M.ムソルグスキー/石津谷治法)

    最近は管理人の世代をくすぐるような回顧的な選曲が続いています。「展覧会の絵」は、2008年以来10年ぶり2回目です。前回とは違う楽章をセレクトしていますが、今回も石津谷先生の素晴らしい編曲で楽しませてくれそうです。ここ最近は隔年で金賞と銀賞を受賞しており、意外にも08・09年が最後の連続金賞です。これまで金賞23回、銀賞8回を受賞しています。

    8北陸 石川県 石川県立小松明峰高等学校(指揮/木村有孝) ※2年連続5回目

    4/プラハのための音楽1968(K.フサ)

    1968年1月にチェコスロヴァキアで始まった「プラハの春」と呼ばれる社会主義の改革運動が8月20日夜のソビエト連邦率いるワルシャワ条約機構軍侵攻による軍事介入で制圧された事件(チェコ事件)が題材となっています。イサカ大学コンサートバンドによる委嘱作品です。今年はチェコ事件から50年目にあたります。これまで金賞1回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。

    9九州 福岡県 福岡工業大学附属城東高等学校(指揮/武田邦彦) ※5年連続32回目

    4/プラネット・ナイン 〜未知への軌跡〜(樽屋雅徳)

    2016年1月に米カリフォルニア工科大学の研究チームが「太陽系の最外部に未知の巨大惑星があるかもしれない」と発表しました。まだ名称のないこの太陽系「第9番惑星」が「プラネット・ナイン」です。城東高は2016年にこの作品で全国大会出場し金賞を受賞していますが、それ以来2度目の選曲です。これまで金賞14回、銀賞12回、銅賞1回を受賞しています。

    10東京 東京都 東海大学菅生高等学校(指揮/加島貞夫) ※2年ぶり6回目

    5/吹奏楽のための協奏曲(高昌帥)

    「吹奏楽のための協奏曲」は全5楽章からなり、全曲演奏すると30分近くを要する作品です。大阪音楽大学創立100周年記念の委嘱作品です。2016年に春日部共栄高、創価学会関西吹が全国大会で演奏して以来、2017年、2018年と自由曲として広く選曲されています。今年も菅生高、遠軽高、泉SWOの3団体によって演奏されます。これまで銀賞3回、銅賞2回を受賞しています。

    11北海道 札幌地区 東海大学付属札幌高等学校(指揮/井田重芳) ※7年連続36回目

    4/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より(高昌帥)

    後半では最多の36回出場、北海道支部の名門バンドの登場です。「陽が昇るとき」は「1.衝動、2.情緒、3.祈り、4.陽光」の全4楽章から成り元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたものです。同校としては2014年に続いて4年ぶり2回目の選曲です。2012年から昨年まで6年連続で金賞受賞と驚異の成績を残しています。これまで金賞21回、銀賞12回、銅賞2回を受賞しています。

    12東北 福島県 福島県立湯本高等学校(指揮/小山田浩) ※3年連続13回目

    5/交響曲第3番より 第1・3・4楽章(J.バーンズ)

    交響曲第3番はアメリカ空軍軍楽隊の94年の委嘱作品ですが、96年に大阪市音楽団の日本初演が世界初演になったという珍しい作品です。第3楽章には副題に「ナタリーのために」と、バーンズの幼くして亡くなった娘の名前が付けられているのもよく知られています。指定通りの編成を実現するにはかなりの大編成であることが要求される大曲です。全国大会では2004年に初登場していますが、この作品での金賞は湯沢北中(2005年)1団体のみです。これまで金賞2回、銀賞6回、銅賞4回を受賞しています。

    13関西 大阪府 明浄学院高等学校(指揮/小野川昭博) ※5年連続15回目

    2/紺碧の波濤(長生淳)

    自由曲「紺碧の波濤」は創価グロリア吹奏楽団による2005年の委嘱作品で、テーマは「悲劇の英雄」とのこと。作者の長生氏は、『<悲劇的な運命を前に、恨んだり悲嘆にくれるのではなく静かにそれを受け入れている>そのような人物像を思い浮かべた』とコメントを残しています。明浄学院にとっては2014年以来2回目の選曲です。これまで金賞3回、銀賞9回、銅賞2回を受賞しています。

    14中国 岡山県 明誠学院高等学校(指揮/稲生健) ※3年連続9回目

    4/幻想交響曲より 第5楽章「魔女の夜宴の夢」(H.ベルリオーズ/藤田玄播)

    自由曲はベルリオーズが1830年に作曲した初の交響曲。作者の失恋体験の告白を意図した標題音楽です。コンクールでは主に60〜80年代に人気を博した作品です。高校部門では2013年(鹿児島情報高)以来5年ぶりの登場となりました。これまで金賞1回、銀賞5回、銅賞2回を受賞しています。

    15西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校(指揮/奥章) ※6年連続27回目

    5/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より(P.マスカーニ/宍倉晃)

    2年連続でのトリというのも珍しいですね。「カヴァレリア」は2007年以来2回目の選曲です。マスカーニが作曲した1幕物のオペラで1890年に初演されました。題名は「田舎の騎士道」といった意味です。連続金賞は2006・2007年が最後。少なくとも隔年で金賞は獲得していましたが、昨年は2年連続銀賞におわりました。雪辱なるか期待です。これまで金賞18回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。


    ※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。


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