第71回全日本吹奏楽コンクール
    令和5年10月22日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール
     
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     高校・後半の部

    1
    西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校(指揮/金井良弘) ※3年連続31回目

    2/歌劇「アンドレア・シェニエ」より(U.ジョルダーノ/宍倉晃)

    指揮者が変わりました。金井先生は2015年に同校に赴任、2015〜2022年においては埼玉D部門に出場するチームを指導されていましたが、今年からA部門チームの指揮となりました。「アンドレア・シェニエ」は2015年以来2回目の選曲。フランス革命前後、実在の詩人アンドレア・シェニエの半生を描いたオペラ作品です。埼玉栄を知り尽くしている宍倉氏アレンジ作品で毎年緻密なアンサンブルを聞かせてくれています。これまで金賞21回、銀賞8回、銅賞1回を受賞しています。


    2
    東関東 千葉県 習志野市立習志野高等学校(指揮/織戸弘和) ※3年連続36回目

    1/三つの交響的素描「海」より 風と海との対話(C.ドビュッシー/佐藤正人)

    出場36回は名電・東海大札幌に次いで3番目。金賞25回は今大会では最多受賞、歴代で見ても淀工32回受賞に次いで2番目。1981年の初出場以降、特別演奏や3出休を挟んで一度も途切れることなく全国出場という名実ともに名門バンド。過去出場で、祈りとトッカータ(82)交響的詩曲《地底》(84)の2回が吹奏楽オリジナル作品だった以外は全て管弦楽編曲作品を取り上げています。「海」は1986年以来37年ぶり2回目の選曲ですが、前回は八田泰一氏の編曲でした。これまで金賞25回、銀賞10回を受賞しています。

    3
    北海道 札幌地区 東海大学付属札幌高等学校(指揮/井田重芳) ※3年連続40回目

    2/宇宙の音楽(P.スパーク)

    出場40回は名電高に継ぐ2番目の多さ。歴代で見ても名電45回、淀工41回に次ぐ3番目の成績です。1978年に全国大会初出場、1979年は連続代表を逃しましたが、翌80年から3出休み等を挟んで一度も代表を逃すことなく全国出場を重ねてきました。「宇宙の音楽」はもともとブラスバンド作品として発表され、後に吹奏楽版も発表され大阪市音楽団によって2005年に世界初演されました。これまで金賞24回、銀賞13回、銅賞2回を受賞しています。

    4
    関西 大阪府 明浄学院高等学校(指揮/小野川昭博) ※2年ぶり18回目

    2/紺碧の波濤(長生淳)

    自由曲では毎年邦人作品を取り上げていましたが、昨年は路線変更の「ワインダーク・シー」でまさかの支部金賞に終わりました。2006年から3出休を挟んで続いていた連続出場を逃してしまったのですが、今年は得意の長生作品での代表返り咲きです。「紺碧の波濤」は2014・2018年に続いて3回目の選曲ですが、この作品での金賞はまだありませんね。同曲は2005年の創価グロリア吹奏楽団による委嘱作品です。来年から共学化する予定の同校、女子高バンドとしては最後となる今年、金賞で飾りたいところです。これまで金賞3回、銀賞12回、銅賞2回を受賞しています。

    5
    西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校(指揮/宇畑知樹) ※3年連続24回目

    2/スペイン狂詩曲より マラゲーニャ、祭り(M.ラヴェル/森田一浩)

    伊奈学園の過去の自由曲の殆どは管弦楽編曲作品やミュージカル作品ですが、ラヴェルは2001年(ダフニスとクロエ)以来22年ぶりです。スペイン狂詩曲が全国大会に登場したのは1976年の秋田山王中が最初で、77年に総社東中が演奏した後12年後の1989年に常総学院高が初出場で金賞デビューしたのを機に自由曲レパートリーとして大きく広がりました。これまで金賞16回、銀賞6回、銅賞1回を受賞しています。

    6
    九州 鹿児島県 鹿児島県立松陽高等学校(指揮/立石純也) ※3年連続9回目

    1/ブリュッセル・レクイエム(B.アッペルモント)

    九州代表4枠の内、3校は私学女子高バンドを占めるなか唯一の公立共学高です。自由曲「ブリュッセル・レクイエム」は連続爆破テロ事件を題材にしたブラスバンド作品で、その後吹奏楽版が出版されました。2019年の全国大会で11団体が演奏するなど爆発的なブームを見せました。今大会の高校部門では松陽・大阪桐蔭・大阪仰星の3団体がこの作品を取り上げています。これまで金賞2回、銀賞5回、銅賞1回を受賞しています。

    7
    東海 愛知県 愛知工業大学名電高等学校(指揮/伊藤宏樹) ※3年連続45回目

    2/交響詩「モンタニャールの詩」(J.ヴァン・デル・ロースト)

    出場45回は高校部門では歴代最多出場数です。モンタニャールは2016年に続いて2回目の選曲です。イタリアのヴァル・ダオスト吹奏楽団の委嘱で1996年に作曲された作品であり、。モンタニャールとはフランス語で「山、山岳民」という意味です。2010年に東海大高輪台が全国大会初演して金賞を受賞しました。当時の某テレビ番組取材でも露出が多かったこともあり、翌年から多くの団体が取り上げるようになった作品です。これまで金賞17回、銀賞24回、銅賞2回を受賞しています。

    8
    四国 香川県 香川県立坂出高等学校(指揮/田所博) ※3年連続8回目

    1/吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より (高昌帥)

    2017年からコロナ中止を挟んで連続出場であり、四国支部の顔となりました。今年は同校の合唱部がNHK全国学校音楽コンクールに四国代表で出場されており、吹奏楽と合唱の両方とも全国クラスというのは素晴らしいですね。「陽が昇るとき」は「1.衝動、2.情緒、3.祈り、4.陽光」の全4楽章から成り、元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたものです。同校にとっては2015年以来8年ぶりの選曲です。過去7回は全て銅賞と、全国大会ではなかなか銅賞から脱却できないようですが、さて今年はどうでしょうか?

    9
    東京 東京都 東海大学菅生高等学校(指揮/加島貞夫) ※3年連続10回目

    3/ドラゴンの年(2017年版)(P.スパーク)

    ドラゴンはブラスバンド作品として1984年に作曲され、1985年に吹奏楽版が完成します。2017年にシエナウインドオーケストラの委嘱により、打楽器・木管低音楽器・コントラバス等を加え、 現代の標準的な吹奏楽編成として発表されました。現在、2018年から4大会連続で金賞受賞です。東京支部不動の代表校・東海大高輪高も3大会連続金賞が最高であり、4大会連続金賞を上回るのは1976〜1980年の5年連続金賞だった玉川学園高まで遡ります。これまで金賞4回、銀賞3回、銅賞2回を受賞しています。

    10
    東関東 千葉県 千葉県立幕張総合高等学校(指揮/伊藤巧真) ※10年ぶり3回目

    1/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲より 夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル/伊藤巧真)

    東関東御三家の一つ常総学院をおさえての10年ぶりの代表です。伊藤先生は2017年から指揮をされており、悲願の全国復活となります。今年は自由曲もご自身の編曲ということで喜びもひとしおでしょう。「ダフニスとクロエ」は全国でも毎年のように演奏されている作品ですが、過去10年を遡ってみても高校部門での金賞は淀川工科高(12・14・16・17・19年)のみで、淀工以外の金賞バンドは2010年の片倉高が最後になります。10年ぶりの復活を金賞で飾れるでしょうか。これまで金賞2回を受賞しています。

    11
    東北 宮城県 聖ウルスラ学院英智高等学校(指揮/及川博暁) ※2年連続7回目

    3/管弦楽のための交響詩「連祷富士」(三善晃/遠藤正樹)

    「連祷富士」はテレビ静岡開局20周年記念の委嘱作品で、1988年9月に小澤征爾指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団により静岡で初演されました。同校は2014年にも取り上げましたが、この年は支部金賞どまりでした。全国大会では2003年(磐城)以来20年ぶりの登場です。2015年(磐城)を最後に東北代表から金賞は出ていません。また宮城県の高校バンドからは金賞が一度も出ていません。これまで銀賞3回、銅賞3回を受賞しています。

    12
    北陸 石川県 石川県立金沢桜丘高等学校(指揮/寄島昭生) ※2年連続5回目

    1/バレエ音楽「眠れる森の美女」より(P.I.チャイコフスキー/石津谷治法)

    北陸大会での演奏を会場で聞かせていただきましたが、透明感のある美しいサウンドだったことを覚えています。文句なしの代表と感じた演奏でした。自由曲の「眠りの森の美女」は言わずと知れたチャイコフスキーの三大バレエ作品の一つ。序章つき3幕からなるバレエで、チャイコフスキーのバレエ音楽の中では最も上演時間の長い作品です。高校部門では過去に中村学園女子(87)、兵庫(95)、丸亀(98)、習志野(14)の4回しか演奏されておらず、本作品での金賞は出ていません。また、桜丘の2012年を最後に北陸代表からは金賞が出ていません。これまで金賞1回、銀賞3回を受賞しています。

    13
    中国 岡山県 岡山学芸館高等学校(指揮/中川重則) ※3年連続20回目

    1/アルメニアンダンス・パートUより(A.リード)

    昨年のエルサレム讃歌に続いてのリード作品。学芸館の前身である金山学園高時代、1990年に本作品で全国出場しています。本作品が全国大会に登場するのは2002年(富山商)以来、実に21年ぶり、しかも金賞になると1984年(市立柏高)を最後に出ていません。学芸館は2017年から5大会連続で金賞受賞していますが、アルメニアン2での39年ぶりの金賞なるか、期待したいところです。これまで金賞8回、銀賞5回、銅賞6回を受賞しています。

    14
    東海 静岡県 浜松聖星高等学校(指揮/土屋史人) ※3年連続10回目

    3/秘儀\ <アスラ>(西村朗) 

    東海大会では朝日新聞社賞を受賞しての代表。自由曲は2021年「秘儀V」に続いての秘儀シリーズ。東京で活動するWind Orchestra Spark による委嘱作品で今年発表されたばかりの新曲であり、全国大会初演となります。「アスラ」とはインド神話における神々と対立する存在を表すそうで、「邪悪」「悪魔」という意味合いになるようです。作曲者の西村氏は今年9月7日に他界されましたが、天上に捧げる演奏となるでしょうか。これまで銀賞7回、銅賞2回を受賞しています。

    15
    九州 福岡県 精華女子高等学校(指揮/櫻内教昭) ※3年連続25回目

    1/ガレア・エト・ベルム(兜と戦争)(J.デ・ハーン)

    櫻内先生が赴任されて以降、自由曲では新しいものに挑戦する姿勢が素晴らしいと感じていました。今年の自由曲はオランダ・フリースラントにあるエクセルシオール・スクラールト音楽協会からの委嘱作品で、2015年に発表されました。フリースラントにある教会から発見された軍事用のガレア(兜)からインスピレーションを受けて作曲されたとのことです。楽曲としてはもちろんデ・ハーン作品としても全国大会初演となります。これまで金賞14回、銀賞10回を受賞しています。


    ※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。

     
     
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