第72回全日本吹奏楽コンクール
    令和6年10月27日(日)/札幌コンサートホールKitara
     
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     職場一般・前半の部

    1
    北陸 石川県 百萬石ウィンドオーケストラ(指揮/北山義隆) ※2年連続20回目

    2/バレエ音楽「スパルタクス」より(A.ハチャトゥリアン/仲田守)

    紀元前の古代ローマ帝国の剣闘士スパルタクスによる奴隷解放の反乱を描いたバレエ音楽。自由曲としては圧倒的な人気の「ガイーヌ」に比べるとちょっと地味な印象ではあります。天理高(78年)による全国大会初演を含めて、これまで全国大会では6回しか演奏されていせん。今回は97年(関西学院大)以来、27年ぶりの登場です。支部大会は仲田氏指揮でしたが、全国では北山氏。同氏は現在、白山市立美川中に勤務され、過去に辰口中(96年)、大徳中(17年)で2回全国大会経験がありますが職場一般部門では今回が初です。これまで金賞1回、銀賞7回、銅賞11回を受賞しています。


    2
    東京 東京都 東京隆生吹奏楽団(指揮/畠田貴生) ※4年連続13回目

    1/ラ・メール 〜クロード・ドビュッシーのレミニサンス(三澤慶)

    ここ最近は高昌帥作品や福島作品が続いていましたが、今年は初の三澤氏による委嘱作品での登場です。もちろん全国大会初演です。「レミニサンス」とは<回想・追想、思い出>といった意味の言葉ですが、タイトルのごとくドビュッシーの「海」を彷彿させる作品で、全国大会での名演に期待したいですね。2017年から6大会連続で金賞を受賞するなど、圧倒的な強さを見せています。これまで金賞10回、銀賞2回を受賞しています。

    3
    四国 愛媛県 藤原大征とゆかいな音楽仲間たち(指揮/藤原大征) ※4年連続11回目

    3/とこしえの声 〜いまここに立つ母の姿〜(樽屋雅徳)

    自由曲は太平洋戦争末期の日本軍による特攻隊という戦法に散った少年たちの母親の思いがモチーフとなった作品。樽屋氏が知覧特攻平和会館の平和公園内にある「とこしえの像」からタイトルがつけられたそうです。昨年、市柏によって全国大会初演されたばかりの作品です。四国代表からは89年の鏡野吹奏楽団を最後に金賞が出ていません。常連バンドとしての初金賞、期待しています。これまで銀賞2回、銅賞8回を受賞しています。

    4
    関西 大阪府 創価学会関西吹奏楽団(指揮/伊勢敏之) ※4年連続24回目

    3/吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」より T.祈り U.唄 V.祭り(伊藤康英)

    「ぐるりよざ」は海上自衛隊・佐世保音楽隊の委嘱作品で1990年に佐世保市にて初演されました。隠れキリシタンたちが歌い継いでいった歌がモチーフとして全三楽章の壮大な交響詩となっています。今年は関西大会を会場で聞かせていただきました。コンクールでは第1・3楽章を演奏するのが多いのですが、創価関西は全3楽章からイイとこ取りしてうまくまとめていました。全国大会では09年(宇美東中)以来15年ぶりの登場です。これまで金賞21回、銀賞2回を受賞しています。

    5
    関西 滋賀県 大津シンフォニックバンド(指揮/若林義人) ※5年ぶり19回目

    3/サンタフェ・サガ(サンタ・フェ物語)(M.グールド)

    指揮者の交代の影響もあり、支部大会止まりが続いていましたが、若林氏が指揮者になった今年5年ぶりに代表復活を果たしました。「サンタ・フェ」とは米ニューメキシコ州の州都のこと。「サンタフェ・サガ」は「リオ・グランデ/ラウンド・アップ/ワゴン・トレイン/フィエスタ」の4つの部分が続けて演奏されます。全国大会にて演奏されるのはなんと93年(富山WE)以来31年ぶりです。オールドファンにとっては懐かしい選曲です。これまで金賞14回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。

    6
    東北 秋田県 大曲吹奏楽団(指揮/小塚類) ※2年連続23回目

    4/交響曲第4番(D.マスランカ)

    交響曲第4番は単一楽章の作品で、随所に讃美歌のモチーフが使われておりパイプオルガンのような響きを聞くことができます。マスランカは吹奏楽において交響曲、協奏曲、アンサンブル作品等50作以上を残し、現代吹奏楽のレパートリーを広げてきました。同氏は9曲の交響曲を書いており、「10番」は未完成のまま2017年に他界されました。1番と6番は管弦楽曲ですが、残り7曲は吹奏楽のために書いた交響曲です。金賞8回、銀賞13回、銅賞1回を受賞しています。

    7
    九州 福岡県 西区市民吹奏楽団(指揮/松井裕子) ※4年連続7回目

    2/交響曲第4番(D.マスランカ)

    2017年に初出場金賞デビューしてから連続出場です。奇しくも一つ前の団体と同じ自由曲になりました。職場一般ではブリヂストンが金賞を取っているのが目立ちますが、西区市民吹は純粋な九州の一般バンドとして唯一の金賞受賞経験がある同バンドです。職場一般では紅一点の指揮者、前日の福岡工業大の指揮との連続になりますが、ダブル金賞を期待したいと思います。これまで金賞1回、銀賞4回、銅賞1回を受賞しています。

    8
    西関東 埼玉県 伊奈学園OB吹奏楽団(指揮/宇畑友樹) ※2年ぶり8回目

    1/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(C.M.シェーンベルク/森田一浩)

    ミュージカル作品の自由曲レパートリーとしてすっかり定着した感がある「レミゼ」です。毎年支部大会でも登場し、全国大会でもよく聞かれるようになりました。この作品での金賞は同バンドの母校「伊奈学園総合高」のみで、2013年・2021年に2回受賞しただけです。今年は埼玉県大会を会場で聞きましたが、伊奈学園の十八番なんだなぁと実感したほど素晴らしい演奏でした。これまで金賞3回、銀賞2回、銅賞回を受賞しています。

    9
    北海道 函館地区 上磯吹奏楽団(指揮/澤邊諒) ※3年連続10回目

    3/第5交響曲「さくら」(A.リード)

    第5交響曲はリードが作曲した最後の交響曲で全3楽章からなります。タイトルのとおり日本の民謡《さくら》がモチーフが第2楽章で使われています。洗足学園音楽大学委嘱作品として95年に発表されました。コンクール自由曲としては97年に初登場していますが、発表から29年経った今年、全国大会初演となりました。これまで銀賞2回、銅賞7回を受賞しています。

    10
    中国 島根県 出雲吹奏楽団(指揮/小西慶一) ※2年ぶり17回目

    2/太平の時を歌わん  〜三国志・曹操の描いた理想郷〜 (鹿野草平)

    三国志に登場する名将 《曹操(そうそう)》 の生き様と彼が残した漢詩「對酒歌太平時」にインスピレーションを受けた作品だそうで、複数団体による共同委嘱によって2019年に発表されました。もちろん全国大会初演となります。今回の指揮者は、県大会は小西氏、支部大会では仲田守氏が指揮をされました。これまで金賞4回、銀賞5回、銅賞7回を受賞しています。

    11
    九州 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米(指揮/冨田篤) ※4年連続50回目

    3/「管弦楽のための協奏曲」より V.終曲(B.バルトーク/榛葉光治)

    今大会出雲第一中・神奈川大の51回出場に次ぐ50回。しかも37回金賞は全部門通じて最多受賞数を誇ります。「協奏曲」はバルトーク晩年の代表作で1944年にボストン交響楽団によって初演されました。全国大会では2013年(横浜BO)以来11年ぶりの登場です。この作品での金賞バンドは伊奈学園総合高(04年)の1団体のみです。2013年に冨田氏が常任指揮者に就任した後、9回の出場で金賞8回という脅威の成績を残されています。今回で冨田氏指揮として10回目の今年を金賞で飾り最多受賞数を更新できるでしょうか。これまで金賞37回、銀賞8回を受賞しています。
     
    12
    東関東 千葉県 開智アカデミックウインドオーケストラ(指揮/石田修一) ※2年連続2回目

    1/交響詩「ヌーナ」(阿部勇一)

    昨年コンクール初参加で初の全国出場を決め、今年は見事連続代表を果たしました。《ヌーナ》とは約19億年前、地球上に最初に出現したといわれる超大陸の名称です。大津シンフォニックバンドの委嘱作品で2016年に発表され、同年の全国大会で金賞を受賞した作品です。全国大会では16年(大津SB)、18年(市立柏高)の2団体のみしか演奏されていません。これまで銅賞1回を受賞しています。

    13
    東海 静岡県 ヤマハ吹奏楽団浜松(指揮/三原寛志) ※2年ぶり42回目

    3/ウインドオーケストラのためのエッセイ(高昌帥)

    2014年以降、コンクールは隔年参加としたヤマハ。今年から指揮者が三原氏に交代ですね。エッセイは2012年以来2回目の選曲です。この作品はヤマハの初の高氏への委嘱作品でした。コンクールが隔年参加となったため、金賞受賞回数はブリヂストンに1位の座を渡してしまいましたが、それでも35回金賞というのは驚異的な成績だと思います。新しい指揮者の就任を金賞で飾れるでしょうか? これまで金賞35回、銀賞2回を受賞しています。




    ※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。

     
     
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