第72回全日本吹奏楽コンクール 令和6年10月19日(土)/宇都宮市文化会館 |
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中学生・前半の部 |
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1 | 九州 福岡県 福岡県立門司学園中学校(指揮/武田邦彦) ※4年連続4回目 |
1/無辜の祈り 奇跡の一本松〜再び海へ〜ほんとうの幸福(樽屋雅徳) | |
無辜は「むこ」と読みますが、「罪が無いこと」または「罪が無い者」を意味するそうです。東日本大震災の2年半後、東北を訪れた作者が現地の人々から聞いた話からの印象や復興への思いを込めて作曲したそうです。「奇跡の一本松、再び海へ、ほんとうの幸福」という副題がついています。2014年3月に発表された後、自由曲としても選曲されるようになりましたが、10年経った今年、全国大会初演を迎えることになります。これまで銀賞3回を受賞しています。 | |
2 | 北陸 富山県 砺波市立庄西中学校(指揮/畑史香) ※初出場 |
1/富士山 −北斎の版画に触発されて−(真島俊夫) | |
学校名は「しょうせい」と読みます。すでにマーチングコンテストでは全国大会に6回出場していますね。畑先生は金沢大学吹奏楽団で2012年に学生指揮者として支部金賞を受賞。2014年に庄西中に赴任、2015年はA部門で県大会銅賞。2016〜2022年はB部門で参加されており、22年は東日本大会初出場で金賞、23年はA部門で支部初金賞とステップアップし、今年悲願の全国代表を射止めました。「富士山」は同校が東日本大会初出場の2022年に続いて2回目の選曲です。AB両部門での初出場金賞となるでしょうか? | |
3 | 東北 岩手県 北上市立上野中学校(指揮/柿沢香織) ※4年連続8回目 |
3/交響曲第3番より 第1、3、4楽章(J.バーンズ) | |
交響曲第3番は、アメリカ空軍軍楽隊の委嘱を受け1994年に作曲されました。バーンズ自身の第1子の死の悲しみ、第2子の誕生への喜びの感情が作品に反映されています。軍楽隊による初演演奏会が中止になったため、大阪市音楽団によって1996年に世界初演されました。昨年まで3年連続で金賞受賞していますが、これまで中学の東北代表で4年連続金賞は出ていません。(※山王中が95〜97年で3年連続金賞でしたが、当時は3金1休の規定のため翌年は不参加でした。)これまで金賞4回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。 | |
4 | 東海 長野県 松本市立梓川中学校(指揮/妹尾圭子) ※2年連続2回目 |
3/交響詩「祈りの陽」(田村修平) | |
「祈りの陽」は2022年の宝塚市吹奏楽団の委嘱作品。昨年、宝塚市吹が全国大会で金賞を取りましたが、今年は全国で20団体が取り上げるなど、俄かに人気が高まりました。中学部門では初登場となります。全国大会での田村作品は「祈りの手(21年)」「祈りの陽(22年)」の2曲しか登場していませんが、ここ数年、他の作品が自由曲として取り上げる団体が増えてきており、今後もっと広がりそうですね。これまで銅賞1回を受賞しています。 | |
5 | 東北 岩手県 盛岡市立北陵中学校(指揮/吉田哲) ※10年ぶり2回目 |
1/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より ソロモンの夢、狂宴の踊り(O.レスピーギ/石津谷治法、社樹純) | |
支部大会では比較的安定した成績を収めていましたが、10年ぶりの代表復活は喜びもひとしおでしょう。代表枠3つの中で岩手勢2校が入るのは史上初の快挙です。ベルキスはバレエ全曲で80分ほどかかるものを4楽章の演奏会用組曲に編まれた作品です。1988年の東北学院大学が全国大会初演以降、爆発的に全国に広がり、自由曲におけるレスピーギ作品としては「ローマの祭り」に次ぐ人気楽曲となりました。2018年に続いて2度目の選曲です。これまで銅賞1回受賞しています。 | |
6 | 四国 愛媛県 四国中央市立三島東中学校(指揮/脇展子) ※2年ぶり2回目 |
3/リベラシオン(天野正道) | |
リベラシオンは福井県の北陸高等学校による委嘱作品で、全国大会では酒井根中、市立柏高、文教大の3団体が演奏(2022年)したときから2年ぶりの登場です。昨年から指揮者が脇先生に交代。昨年は支部大会金賞ながらも連続代表を逃しましたが、見事に代表返り咲きとなりました。四国代表は2009年の徳島国府中を最後に金賞受賞がありませんし、2010〜2023年では2015年の国府中を除き全て銅賞に終わっています。銅賞1回を受賞しています。 | |
7 | 東海 長野県 松本市立鎌田中学校(指揮/塚田理恵) ※4年連続10回目 |
2/ブリュッセル・レクイエム(B.アッペルモント) | |
自由曲は2016年3月にブリュッセルで発生した爆破テロ事件での悲劇を模しています。4つの部分から構成され途切れなく連続で演奏され、ノーカットで16分ほどかかるグレード6の難曲です。全国大会では2018年に初登場し3団体が演奏、2019年には11団体が演奏するなど「ブリュッセル祭り」と言われました。複数団体が取り上げる印象が強いですが、今年は鎌田中1団体のみです。これまで金賞2回、銀賞5回、銅賞2回を受賞しています。 | |
8 | 東京 東京都 羽村市立羽村第一中学校(指揮/赤坂光) ※2年ぶり15回目 |
1/交響的断章(V.ネリベル) | |
2022年まで7大会連続で出場していましたが、昨年は都大会で銀賞という結果でした。昨年の雪辱を果たして見事代表返り咲きです。赤坂先生は初の全国大会ですね。交響的断章は今回で4回目の選曲であり、同校にとっては十八番といっても良い作品です。この作品での全国金賞はまだ達成していません。2018年以降金賞から遠ざかっています。これまで金賞6回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。 | |
9 | 北海道 旭川地区 旭川市立永山中学校(指揮/菅野哲也) ※38年ぶり3回目 |
3/NOVA −宇宙(そら)への変革−(林大地) | |
実に38年ぶりの全国復活。しかも今回は北海道代表2枠とも旭川地区から独占するという初の快挙にもなりました。自由曲「NOVA」はラテン語で新星を意味する言葉です、委嘱作品とのことです。作曲家の林氏は2019年の課題曲「あんたがたどこさの主題による幻想曲」の作者であり、同氏の作品が自由曲として登場するのは今回が初となります。これまで金賞1回、銀賞1回を受賞しています。 | |
10 | 東関東 千葉県 柏市立酒井根中学校(指揮/粉川心) ※4年連続19回目 |
2/波瀾万丈(天野正道) | |
東の名門・酒井根中です。支部大会でも朝2番目の出演順ながら安定の演奏で代表獲得。2006年以降、出場した全国大会は全て金賞受賞というモンスターバンドです。自由曲「波瀾万丈」は全三楽章からなら作品で。2020年のグラールウインドオーケストラの委嘱作品。グラールの指揮者・佐川氏の人生がモチーフになっているとか…。コンクール自由曲としては今回が初演となります。これまで金賞16回、銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |
11 | 中国 山口県 防府市立華陽中学校(指揮/浅原美紀) ※3年ぶり3回目 |
2/生命のアマナ 〜ウインド・アンサンブルのために〜(片岡寛晶) | |
自由曲は2020年の山梨県立富士河口湖高の第25回記念定期演奏会の委嘱作品です。翌2021年に同高がコンクール自由曲として選曲(県大会銀賞)しました。22年・23年においては全国各地で広く演奏されるようになりましたが、今回、全国大会初演となりました。「アマナ」は日本古代の言葉でエネルギーの概念や創造の源を意味するそうです。この作品はちょうど新型コロナ感染症が猛威をふるっていた頃に発表されたものであり、色々なことが抑圧・制限されていた中での思いが詰まっているようです。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |
12 | 九州 福岡県 福岡市立城南中学校(指揮/岩田純子) ※4年連続6回目 |
1/カプレーティとモンテッキ 〜「ロメオとジュリエット」その愛と死〜(天野正道) | |
表題はロメオとジュリエット「キャピュレット家とモンタギュー家」をイタリア語読みしたもので、2008年のアンサンブルリベルテ吹奏楽団の委嘱作品です。全国大会では2017年(玉名女子高、春日市民吹)以来7年ぶりの登場となります。天野作品はコンクール全体での邦人作品の累積演奏回数第1位ですが、今年は中学と職場一般の部門で異なった6作品(GR/リベラシオン/波瀾万丈/カプレーティ〜/カレイドスコープ/トラジチニ・ソナタ〜)を聞くことができます。これまで金賞2回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。 | |
13 | 西関東 埼玉県 朝霞市立朝霞第一中学校(指揮/中田綺羅) ※4年連続8回目 |
2/「GR」より シンフォニック・セレクション(天野正道) | |
昨年からまた指揮者が代わりました。代表枠が1減となり更に激戦区となった西関東支部ですが、見事代表を射止めての連続出場です。全国大会で演奏される天野作品として、GRシンフォニックセレクションは「天雷无妄」に次いで2番目に多い作品です。同GRの2番・3番も含めると一番多いシリーズとなります。天野作品はコンクール全体での邦人作品の累積演奏回数第1位ですが、今年は中学と職場一般の部門で異なった6作品(GR/リベラシオン/波瀾万丈/カプレーティ〜/カレイドスコープ/トラジチニ・ソナタ〜)を聞くことができます。これまで金賞2回、銀賞5回を受賞しています。 | |
14 | 関西 奈良県 生駒市立生駒中学校(指揮/山上隆弘) ※4年連続17回目 |
4/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲(Z.コダーイ/森田一浩) | |
「くじゃく」は93年に全国大会初登場してから自由曲として大流行、90年代後半から非常に多くの団体が選曲し、97年には7団体が演奏するほどでした。中学部門では2008年以来16年ぶりの登場です。オランダのアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団創立50周年記念に委嘱作品であり、主題と16の変奏、終曲で構成されています。全曲演奏すると30分近くにもなる大曲です。関西大会のライブ配信を聞きましたが、全国大会でも非常に期待です。これまで金賞12回、銀賞4回を受賞しています。 | |
15 | 関西 大阪府 大阪市立鯰江中学校(指揮/南由賀) ※3年連続3回目 |
1/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | |
初出場から連続出場ですね。関西大会では配信を聞かせていただきましたが、配信ながらも圧倒的で重厚なサウンドが素晴らしい演奏でした。今年はプッチーニの没後100年にあたります。「トゥーランドット」は管弦楽作品の自由曲として高い人気を誇っています。鯰江中としては初のトゥーランドットですが、指揮の南先生は前々校の喜連中を指導されていた時、2015年に同曲で全国金賞を受賞しています。これまで金賞2回受賞しています。 | |