第73回全日本吹奏楽コンクール 令和7年10月26日(日)/りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 |
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職場一般・後半の部 |
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1 | 中国 広島県 祇園ウィンドアンサンブル(指揮/大咲司朗) ※3年連続5回目 |
3/エルサレム讃歌(A.リード) | |
リード没後20年のメモリアルイヤー。最近は「A.リードを知らない」という中高生も多いと聞きます。70年代〜80年代のコンクール自由曲としてリード・ブームがあったことは間違いありませんし、一時期は全国大会で10団体がリード作品を取り上げた年もありました。今年はエルサレム(祇園ウインド、精華女子高)、オセロ(幕張総合高)、春の猟犬(岡山学芸館高)と4団体が取り上げる等、メモリアルイヤーならではかもしれません。この作品には「アルメニアの復活祭の賛歌による変奏曲」という副題がついており、全体が序奏・メインテーマ・5つの変奏曲・終曲という構成となっています。これまで銀賞2回、銅賞2回を受賞しています。 | |
2 | 東関東 神奈川県 横浜ブラスオルケスター(指揮/近藤久敦) ※5年連続19回目 |
4/ 歌劇「ベルファゴール」序曲(O.レスピーギ/近藤久敦) | |
ローマ三部作やベルキスでよく知られるレスピーギのオペラです。「ベルファゴール」はキリスト教の七つの大罪に比肩する悪魔のことを言います。このオペラは「プロローグ・第1幕・第2幕・エピローグ」の4部構成となっており、日本初演はつい最近の2017年だったそうです。自由曲としてもほとんど演奏されておらず、過去の全国大会では1999年(近畿大)、2011年(札幌大)の2回のみでどちらも木村吉弘氏の編曲によります。近藤版は初登場ですね。これまで金賞13回、銀賞5回を受賞しています。 | |
3 | 東京 東京都 東京隆生吹奏楽団(指揮/畠田貴生) ※5年連続14回目 |
3/ダンツァーレ・ラ・タランテッラ(三澤慶) | |
昨年の「ラ・メール」に続いての三澤氏への委嘱作品です。昨年の素晴らしい演奏を受けて、「ラ・メール」は今年全国で10以上の団体が取り上げました。今年の自由曲も予選・都大会と聞かせていただきましたが、ドビュッシーの夜想曲や舞曲(シチリア風タランテラ)の思わせるような軽快かつ壮大な作品と感じました。来年以降、人気がでそうな予感がします。初出場から連続出場で13回出場のうち金賞11回という脅威の成績を残しています。これまで金賞11回、銀賞2回を受賞しています。 | |
4 | 東関東 千葉県 光ウィンドオーケストラ(指揮/佐藤博) ※5年連続12回目 |
4/ペルソナ・ノン・グラータ(樽屋雅徳) | |
「ペルソナ・ノン・グラータ」はラテン語で「好ましからざる人物」「厭わしい人物」という意味だとか。この作品は土気シビックウインドオーケストラによる委嘱作品で、杉原千畝が第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った「命のビザ」がテーマになっています。出場12回のうち10回が樽屋作品ということで、光ウィンドにとっては十八番的な選曲なのですね。これまで金賞2回、銀賞9回を受賞しています。 | |
5 | 北陸 福井県 鯖江市ソノーレ・ウィンドアンサンブル(指揮/栗田健一) ※5年連続17回目 |
3/交響組曲「GR」より ディレクターズ・エディション(天野正道) | |
GRは1992年から7年間にわたり制作されたオリジナルビデオアニメ「ジャイアントロボ」のサウンドトラックより、作曲者の天野氏自身が管弦楽作品として再構成・編曲を行ったものを、大規模吹奏楽編成へと書き改めたものです。支部大会では佐藤正人氏が指揮をされましたが、全国大会は栗田氏の指揮ですね。これまで銀賞7回、銅賞9回を受賞しています。 | |
6 | 東北 秋田県 秋田吹奏楽団(指揮/遠藤文成) ※4年連続19回目 |
1/鼓響・・・故郷 《原典版》(天野正道) | |
「鼓響」は2005年秋田吹奏楽団創立30周年記念の委嘱作品で、同団の第27回定期演奏会で初演されました。2009年に秋田吹によって全国大会初演され金賞を受賞しました。「1.童歌、2.奏春、3.鼓響」の3部構成になっています。支部大会では佐藤正人氏が指揮をされましたが、全国大会は遠藤氏の指揮ですね。これまで金賞4回、銀賞12回、銅賞2回を受賞しています。 | |
7 | 関西 滋賀県 大津シンフォニックバンド(指揮/若林義人) ※2年連続20回目 |
4/ヒロイック・サガ(R.ジェイガー) | |
記念すべき20回目の出場。昨年から若林氏が指揮者に就任。昨年は「サンタフェ・サガ」に続いて今年はヒロイック・サガ。オールドファンにとっては懐かしすぎる選曲です。この楽曲は近畿大学吹奏楽部による委嘱作品で、1984年11月にフレデリック・フェネルの指揮で世界初演されました。全国大会では近畿大(1985)、春日市民吹(1987)、福井大(1991)の3回しか登場していません。これまで金賞15回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
8 | 四国 香川県 高松市民吹奏楽団(指揮/金川公久) ※2年ぶり12回目 |
3/交響詩「鯨と海」(阿部勇一) | |
昨年は設立50周年の節目でしたが、残念ながら全国出場を逃していました。今年は雪辱を果たしての代表復活です。「鯨と海」はグラールウインドオーケストラの委嘱作品で2022年6月の第41回定期演奏会にて初演されました。全国大会では2024年に市立柏高と文教大学が初演しています。四国代表の金賞は1989年(鏡野吹)の1回だけ。四国代表で2番目の金賞受賞はいつになるのか…。これまで銀賞1回、銅賞10回を受賞しています。 | |
9 | 九州 福岡県 西区市民吹奏楽団(指揮/松井裕子) ※5年連続8回目 |
4/ピース、ピースと鳥たちは歌う(伊藤康英) | |
「ピース〜」は創価大学パイオニア吹奏楽団の委嘱作品で2019年に全国大会初登場した作品。パブロ・カザルスの「鳥の歌」に啓発を受けて作曲された作品です。今回、福岡工業大と西区市民吹はどちらも指揮者が松井氏で、課題曲も自由曲も同じですね。初出場・金賞だった2017年を最後に金賞は出ていません。これまで金賞1回、銀賞5回、銅賞1回を受賞しています。 | |
10 | 関西 兵庫県 尼崎市吹奏楽団(指揮/田中弘) ※5年連続34回目 |
3/管弦楽組曲「戦場にかける橋」より I. 前奏曲・ 捕虜収容所と脱走、V. ジャングルの旅、W. 終曲・クワイ河マーチ(M.アーノルド/木村吉弘) |
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「戦場にかける橋」は1957年公開の映画で、第30回アカデミー賞で作品賞・作曲賞を含む7部門で最優秀賞を受賞しました。今回の管弦楽組曲はアーノルドの弟子であるクリストファー・パルマーによって再編されました。全国大会では尼崎市吹(1999)、米沢第四中(2000)の2回のみしか演奏されていません。尼崎市吹の最後の金賞がこの1999年でした。それ以降金賞から遠ざかっていますが、この作品で26年ぶりの金賞復活いけるでしょうか。これまで金賞16回、銀賞15回を受賞しています。 | |
11 | 北海道 札幌地区 札幌ブラスバンド(指揮/米田浩哉) ※5年連続9回目 |
4/吹奏楽のための交響曲「モンタージュ」より(P.グレイアム) | |
コロナ中止を挟んで8大会連続出場。北海道代表としては揺るぎない地位を確立した感があります。コロナ明け21年から昨年までは邦人作品でしたが、2019年(ドラゴンの年)以来の海外作品です。「モンタージュ」は全3楽章からなる元々はブラスバンドのための作品で94年に発表されましたが、2004年に吹奏楽版に改訂されました。2017年(岡山学芸館高)、2024年(八王子高)の2回しか登場していませんが、どちらも金賞でした。札幌ブラスの初金なるか期待です。これまで銀賞2回、銅賞6回を受賞しています。 | |
12 | 東海 愛知県 安城ブラスオルケスター(指揮/原田大雪) ※初出場 |
3/アウディヴィ・メディア・ノクテ(O.ヴェースピ) | |
初出場おめでとうございます。安城BOは安城学園高のOBOGによって2023年に結成されたばかりのバンドです。2023年県大会金賞、2024年支部大会金賞と続き結成3年目で全国を決めてしまいました。「アウディヴィ〜」は2011年ヨーロピアン・ブラスバンド・チャンピオンシップでの課題曲作品で20分近い大曲です。2013年に吹奏楽版が発表されました。2017年に精華女子高と名取交響吹が全国大会初演をして以来の登場です。今回は立命館大・東北福祉大・安城ブラスの3団体が取り上げました。 | |
13 | 西関東 埼玉県 川金アンサンブルリベルテ吹奏楽団(指揮/福本信太郎) ※5年連続28回目 |
1/交響曲第2番より(J.バーンズ) | |
昨年7月に地元企業とのネーミングライツ契約を締結し、「川金」が冠に付きました。バーンズの交響曲は第3番が圧倒的な認知度があるのに対して、第2番はほとんど知られていないかもしれません。1981年に作曲され全3楽章(1.哀歌、2.中断された変奏曲、3.終曲)からなります。全国大会では北教大函館(1993)、新日鐵名古屋(2001)の2回しか登場していません。24年ぶりの登場ですが、リベルテの演奏によって人気が出るかもしれませんね。これまで金賞23回、銀賞4回を受賞しています。 | |