第73回全日本吹奏楽コンクール
    令和7年10月19日(日)/宇都宮市文化会館
     
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     高校・前半の部

    1
    西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校(指揮/金井良弘) ※5年連続33回目

    2/歌劇「ラ・ボエーム」より(G.プッチーニ/宍倉晃)

    埼玉栄にとっては初の朝イチとなります。「ラ・ボエーム」はプッチーニの書いた青春群像劇で、今年10月1日から新国立劇場にて上演されていますね。2007年から連続での宍倉アレンジ作品であり、プッチーニは「マノン・レスコー/トゥーランドット/蝶々夫人/つばめ/トスカ」に続く6作品目。この作品が全国大会に登場したのは過去3回のみ(米沢吹、佐賀市民吹、藤原大征)ですが、全て一般バンドによります。高校部門では初登場です。これまで金賞22回、銀賞9回、銅賞1回を受賞しています。


    2
    東京 東京都 東海大学付属高輪台高等学校(指揮/畠田貴生) ※5年連続19回目

    3/アニマ カンティコム(福島弘和)

    「アニマ カンティコム」はラテン語で「魂の歌」という意味。交響的詩曲(2017)、響きの森(2018)、アニマ・メア・ルーチェ(2019)、風の時代(2021)、火焔の鳥(2022)、アウレア・レゲンダ(2023)、息吹の花(2024)に続く8大会連続での福島氏への委嘱作品です。長きに渡って1人の作曲家とのコラボレーションによってその世界観を形成していくところは素晴らしいと思います。ちなみに2020年に「憶いの刻」という委嘱作品がありましたがコンクール中止でこの年は披露されず、札幌ブラスバンドが2021年に全国大会初演をしています。これまで金賞13回、銀賞5回を受賞しています。

    3
    中国 島根県 出雲北陵高等学校(指揮/原田実) ※3年連続17回目

    3/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/小澤俊朗)

    1905年に初演された楽劇サロメ。全一幕からなるオペラのハイライトシーンが「七つのヴェールの踊り」です。今年はサロメの初演から120年という節目です。70年代に自由曲として登場、1979年に全国初演(銚子商業高)してから爆発的にヒットしました。中国代表のサロメは2001年(おかやま山陽)以来24年ぶりですね。2011・2012年に連続金賞受賞したのを最後に金賞から遠ざかっています。これまで金賞2回、銀賞5回、銅賞9回を受賞しています。

    4
    四国 香川県 高松第一高等学校(指揮/石川幸司) ※3年ぶり14回目

    3/歌劇「薔薇の騎士」より(R.シュトラウス/森田一浩)

    「ばらの騎士」は三幕からなるオペラで、演奏時間は3時間を超える大作です。シュトラウス作品の自由曲のレパートリーとしては「サロメ」「ティル〜」「アルプス交響曲」の登場回数にはは及ばず、全国大会での登場は全部門合わせても過去7団体のみという珍しさです。四国代表は2013年から昨年までオール銅賞という結果に終わっています。この連続銅賞を断ち切れるか期待です。これまで銀賞4回、銅賞9回を受賞しています。

    5
    西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校(指揮/宇畑知樹) ※5年連続26回目

    3/「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調」より シャコンヌ(J.S.バッハ/森田一浩)

    3回目の出場(1997年)から今年まで一貫して森田一浩氏編曲作品を選曲しており、シャコンヌは2回目の選曲です。シャコンヌが全国大会に初登場したのは2000年(所沢高)ですが、2008年に伊奈学園が森田版で金賞受賞してから全国に広まった感があります。元々はヴァイオリンの独奏曲とは思えないほど色彩豊かな吹奏楽曲として認知されているようです。これまで金賞17回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。

    6
    東海 静岡県 浜松聖星高等学校(指揮/土屋史人) ※5年連続12回目

    3/交響詩「ローマの祭り」より チルチェンセス、主顕祭(O.レスピーギ/森田一浩)

    これまでの出場での自由曲は「中橋愛生・高昌帥・西村朗・ヴァンデルロースト」といった邦人作品や吹奏楽オリジナル作品でしたが、聖星として初の管弦楽編曲作品での出場となります。それも超メジャーな「ローマの祭り」とは、180度方向転換の選曲で驚きました。まだ金賞受賞したことがありませんが、そろそろ初金賞が欲しいところです。路線変更はどう出るか、期待しています。これまで銀賞9回、銅賞2回を受賞しています。

    7
    九州 福岡県 精華女子高等学校(指揮/櫻内教昭) ※5年連続27回目

    3/エルサレム讃歌(A.リード)

    櫻内先生になってからはオリジナル作品の新曲開拓に意欲的でしたが、非常に意外な選曲に驚きました。今年はリードの没後20年にあたる年で、全国でリードがたくさん演奏されているようです。高校部門でもオセロ(幕張総合)、春の猟犬(岡山学芸館) に加えて精華女子のエルサレムは楽しみです。この作品には「アルメニアの復活祭の賛歌による変奏曲」という副題がついており、全体が序奏・メインテーマ・5つの変奏曲・終曲という構成となっています。これまで金賞16回、銀賞10回を受賞しています。

    8
    東北 秋田県 ノースアジア大学明桜高等学校(指揮/石崎聖也) ※3年連続3回目

    3/タイム・フォー・アウトレイジ!(M.ピュッツ)

    日本テレビ「笑ってコラえて」の取材も入り注目されましたね。プレッシャーも大きかったと思いますが、見事に連続代表です。自由曲は2014年ルクセンブルグ軍楽隊の委嘱であり、世界中で起こっている危機的な事象に対する怒りを表現したメッセージ性の高い作品です。2018年には作品のブラスバンド編曲版がヨーロピアン・ブラスバンド・チャンピオンシップの課題曲に採用されるなど注目の作品です。2019年に名取交響吹が全国大会初演して以来の登場です。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。

    9
    東関東 千葉県 千葉県立幕張総合高等学校(指揮/伊藤巧真) ※3年連続5回目

    3/吹奏楽のための交響的素描「オセロ」より
        前奏曲(ヴェニス)、オセロとデスデモーナ、廷臣たちの入場(A.リード)

    ここ3年は常総学院をおさえて代表入りするなど、新・東関東御三家メンバーとなった感がありますね。アルフレッド・リードはシェイクスピア・シリーズとして「ハムレットへの音楽」「魔法の島」「十二夜」「アーデンの森のロザリンド」といった作品を作曲していますが、その中でも最も人気の高いのが「オセロ」です。色彩豊かな全5楽章からなる組曲です。80年代から90年代に自由曲として人気を博しました。今年はリードの没後20年にあたるメモリアルイヤーですが、3年連続金賞で飾れるでしょうか。これまで金賞4回受賞しています。

    10
    関西 大阪府 大阪桐蔭高等学校(指揮/梅田隆司) ※5年連続16回目

    1/バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)より 
        王女たちのロンド、魔王カスチェイの凶悪な踊り、終曲 (I.ストラヴィンスキー/G.M.デューカー)

    前半では唯一の課題曲1。「火の鳥」は「ペトルーシュカ」「春の祭典」と並ぶストラヴィンスキーの3大バレエの一つで1910年にパリで初演されました。自由曲レパートリーとしては80年代〜90年代によく演奏された作品です。高校部門において「火の鳥」での金賞は1978年の富山商業高の1度だけという全国金賞が難しい作品でもあります。この壁を突破できるか桐蔭に期待です。これまで金賞7回、銀賞8回を受賞しています

    11
    東北 福島県 福島県立磐城高等学校(指揮/橋本葉司) ※2年連続24回目

    3/パガニーニ・ロスト・イン・ウィンド(長生淳)

    「パガニーニ〜」は日本を代表するサクソフォン奏者・須川展也氏の委嘱により書かれた2本のアルトサクソフォンとピアノのための楽曲が元になっています。圧倒的存在感のあるアルトサクソフォンのソロに注目です。東北代表は2015年の磐城高を最後に2016年以降金賞が出ていません。昨年は3校オール銅賞でした。伝統校揃いの東北から久々にゴールド金賞が欲しいですね。これまで金賞6回、銀賞14回、銅賞3回を受賞しています。

    12
    北海道 旭川地区 旭川明成高等学校(指揮/佐藤淳) ※初出場

    4/ルイ・ブルジョアの賛美歌による変奏曲(C.T.スミス)

    日本テレビ「笑ってコラえて」の取材も入りプレッシャーもあったことでしょう。佐藤先生が指導されてから支部大会で3年連続金賞と実績を積み、悲願の全国出場を決めました。ほぼ札幌の学校が代表独占していた中、旭川からの代表は2011年(旭川商業高)以来14年ぶりの快挙となります。ルイ・ブルジョワはアメリカ海軍バンドとその指揮者ジョン・R・ブルジョワ隊長による委嘱作品で、1984年に世界初演されました。この変奏曲に使われている讃美歌というのは「詩編旧100番」として良く知られています。

    13
    東海 愛知県 愛知工業大学名電高等学校(指揮/伊藤宏樹) ※5年連続47回目

    3/藍色の谷(酒井格)

    47回出場は高校部門最多となります。「藍色の谷」は龍谷大学による委嘱作品であり、2008年に同大学が全国大会で演奏した1回きりとなっており、実に17年ぶりの登場です。名電にとっては2022年の「森の贈り物」に続く酒井作品であり、このときは8年ぶりに金賞を受賞しています。今回も酒井作品で金賞返り咲きなるか期待です。これまで金賞17回、銀賞26回、銅賞2回を受賞しています。

    14
    北陸 石川県 金沢学院大学附属高等学校(指揮/斉藤忠直) ※2年連続2回目

    3/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/齋藤淳)

    全国常連バンドが多くある北陸支部において、一発屋とならずに初出場から連続出場するあたりは見事です。1905年に初演された楽劇サロメは、今年で初演から120年という節目です。全一幕からなるオペラのハイライトシーンが「七つのヴェールの踊り」です。70年代に自由曲として登場、1979年に全国初演(銚子商業高)してから爆発的にヒットし、自由曲の演奏回数ランキングでも「ローマの祭り」「ダフニスとクロエ」に続く第3位の演奏数を誇ります。これまで銅賞1回を受賞しています。

    15
    九州 鹿児島県 鹿児島県立松陽高等学校(指揮/立石純也) ※5年連続11回目

    3/交響詩「ローマの祭り」より チルチェンセス、主顕祭(O.レスピーギ/磯崎敦博)

    「ローマの祭り」はコンクール自由曲の最多演奏回数を誇ります。全国大会でも1982〜2019年の間は必ず登場する楽興であり、2021年は無かったものの2022年からも連続登場しています。しかも1982〜2009年の間は28年連続全国金賞を記録した作品でもあります。松陽は2004年に全国初金賞に輝いた記念の作品ですね。これまで金賞2回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。


    ※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。

     
     
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