第73回全日本吹奏楽コンクール
    令和7年10月18日(土)/宇都宮市文化会館

    Back

    Next

    中学生・後半の部

    1
    東北 岩手県 北上市立上野中学校(指揮/柿沢香織) ※5年連続9回目

    4/ディヴェルティメント(O.ヴェースピ)

    ディヴェルティメントは、スイス・ウィンド・バンド連盟の委嘱作品で、《ザンクト・ガレン連邦音楽祭2011》のコンテスト課題曲でした。「プレリュード/メディテーション/プロセッション/ホーダウン」という全4楽章で構成され、ジャズテイストの強い作品です。自由曲としては2018年に初登場しましたが、昨年、立命館大によって全国大会初演されました。グレード6の難曲ですが中学生によって演奏されてしまうことに驚きです。昨年連続金賞を逃した雪辱なるでしょうか。これまで金賞4回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。


    2
    東北 宮城県 仙台市立向陽台中学校(指揮/佐藤啓子) ※5年連続9回目

    1/エクストリーム・メイクオーヴァー 〜チャイコフスキーの主題による変容〜 (J.デ・メイ)

    自由曲はチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番の第2楽章(アンダンテ・カンタービレ)、交響曲第4番や第6番、そして「ロメオとジュリエット」から印象的な断片を再構築しタイトル通りに「大胆に変容」させたデ・メイの大作です。2007年にアンサンブルリベルテが全国大会初演しました。その後2010年に根上中が演奏して以来、実に15年ぶりに全国大会で演奏されます。これまで金賞2回、銀賞5回、銅賞1回を受賞しています。

    3
    東京 東京都 小平市立小平第三中学校(指揮/澤矢康宏) ※5年連続19回目

    1/ピョートルの悲劇(松下倫士)

    ピョートルとはチャイコフスキーのこと。彼の波瀾万丈な人生をテーマに、チャイコフスキーの旋律や和声のオマージュが詰まっています。グラールウインドオーケストラによる委嘱作品で2024年の第43回定期演奏で初演され、同年のコンクール自由曲として選曲しますが惜しくも全国大会には進めませんでした。譜面が出版され今年は全国で多くの団体によって演奏されましたが、唯一の小平第三中が全国出場を決めました。全国大会初演となります。これまで金賞13回、銀賞5回を受賞しています。

    4
    関西 大阪府 大阪市立鯰江中学校(指揮/南由賀) ※4年連続4回目

    3/交響詩「ローマの祭り」より チルチェンセス、主顕祭(O.レスピーギ/森田一浩)

    同校による「ローマの祭り」は初出場以来2回目の選曲。南先生は過去に指導されていた市岡中(2003)、喜連中(2015)、鯰江中(2022)で本作品を取り上げ全て金賞を受賞しています。南先生にとっては十八番ともいえる選曲のようですね。昨年まで3年連続金賞ですが、4年連続を達成できるでしょうか。大阪市立の中学が同時に2つ代表になるのは史上初ですが、鯰江と梅香がダブル金賞だと更に初ですね。これまで金賞3回を受賞しています。

    5
    中国 島根県 出雲市立第一中学校(指揮/坂根伸哉) ※5年連続52回目

    1/三つのジャポニスム(真島俊夫)

    52回出場は中学部門では最多出場。名門バンドの登場です。「ジャポニスム」は東京佼成ウインドオーケストラの委嘱作品。「鶴が舞う、雪の川、祭り」の全3楽章で構成されています。金賞22回は中学部門では最多受賞という記録を誇りますが、2016年を最後に金賞から遠ざかっています。これまで金賞22回、銀賞14回、銅賞5回を受賞しています。

    6
    北陸 富山県 南砺市立福野中学校(指揮/山田誠) ※4年連続6回目

    3/白虎繚乱 〜なれし御城に残す月影〜(樽屋雅徳)

    白虎とは会津藩の白虎隊のこと。幕末の会津藩で武家の子息を集めて組織された少年部隊であり、その悲しい結末は日本人であればよくご存知でしょう。作曲者がこの誇り高い武士の精神を称えて作曲しました。副題は戊辰戦争で自ら銃を持って戦った山本八重(新島八重)が詠んだ句<明日の夜は 何国の誰か ながむらん なれし御城に 残す月影>から取られています。全国大会初演となります。これまで金賞2回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。

    7
    東関東 千葉県 柏市立酒井根中学校(指揮/粉川心) ※5年連続20回目

    2/五行相剋(天野正道)

    東関東の名門中。記念すべき20回目の全国出場ですね。支部大会の演奏を聞きましたが、課題曲の金管アンサンブルの部分では奏者がステージ前方で演奏するなど視覚的にも効果的だったのを記憶しています。自由曲は「ごぎょうそうこく」と読み、中国の思想である「五行論」において互いに抑制し合う関係を指すのだそうです。本作は浜松交響吹奏楽団による委嘱作品でコンクール自由曲としては2023年に登場していますが、全国大会初演となります。2006年から昨年まで16大会連続金賞という驚異的な成績を残しています。これまで金賞17回、銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。

    8
    東海 長野県 松本市立鎌田中学校(指揮/塚田理恵) ※5年連続11回目

    4/宇宙の音楽(P.スパーク)

    「宇宙の音楽」は2004年のヨーロッパ・ブラスバンド・チャンピオンシップの自由選択曲として作曲されました。吹奏楽版は2005年に大阪市音楽団(現Osaka Shion WO) が世界初演を行いました。グレード6の難曲であり中学生にとっては大変な楽曲です。全国大会では高校部門で多く演奏されていますが、今年は鎌田中と徳島国府中の2校が演奏します。2002年を最後に金賞から遠のいています。これまで金賞2回、銀賞6回、銅賞2回を受賞しています。

    9
    関西 奈良県 生駒市立生駒中学校(指揮/大西潤之) ※5年連続18回目

    3/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 より シャコンヌ(J.S.バッハ/根本直人)

    前年度までの指揮「山上先生」は一線を退かれました。後進に道を譲るということで今年の全国は大西先生が指揮をされます。新生・生駒中に期待です。シャコンヌの編曲者である根本直人氏は、勿来工業高や磐城高等を指揮されて全国大会に数多く出場されたレジェンドです。今年3月に他界されたばかりです。天国の根本先生にもきっと届くでしょう。生駒中は2019年から昨年まで5大会連続金賞受賞中ですが、連続記録を更新できるでしょうか。これまで金賞13回、銀賞4回を受賞しています。

    10
    東関東 神奈川県 相模原市立田名中学校(指揮/榊原聖人) ※初出場

    1/交響曲第1番「神曲」より 1.地獄篇(R.W.スミス)

    昨年度、Sax4でアンコン全国初出場。今年はついに吹コン全国出場を果たしました。榊原先生は2022年から指揮され23・24年と支部金賞、4年目で激戦区東関東代表です。自由曲はイギリスの詩人ダンテ・アリギエーリの同名作品を題材とし、「地獄篇・煉獄篇・昇天篇・天国篇」の4曲で構成されています。米国ヴァージニア州のジョージ・メイソン大学とジェイムス・マディソン大学の協同委嘱作品です。この作品は1996年に東海大一高が全国大会初演ですが、この時の指揮者が榊原達氏で、今回の田名中の榊原先生はそのご子息とのこと。親子二代で「ダンテの神曲」で全国出場となります。

    11
    四国 愛媛県 四国中央市立三島東中学校(指揮/脇展子) ※2年連続3回目

    3/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」(福島弘和)

    「祈りの鐘」は2010年の春日部共栄高の委嘱作品。以来、自由曲レパートリーとして多くのバンドが取り上げてきていますが、全国大会で金賞受賞したのは春日部共栄高、愛工大名電高、酒井根中の3団体のみです。四国代表は昨年まで8大会連続でオール銅賞が続いていますが、この流れを断ち切ることができるでしょうか。これまで銅賞2回を受賞しています。

    12
    北海道 旭川地区 旭川市立永山中学校(指揮/菅野哲也) ※2年連続4回目

    1/氷晶の時計台 〜時空 (とき) を超えて〜(林大地)

    今年はダブル永山(永山・永山南)の出場に加え、同じ地区の旭川明成高が初代表になるなど、旭川地区は湧いていることでしょう。2年連続での林作品。「氷晶の時計台」は委嘱作品であり全国大会初演となります。中学バンドで委嘱作品で出場するというのは珍しく貴重なケースですね。昨年、38年ぶりの代表復活を金賞で飾るという快挙でしたが、更に初の連続金賞といけるか期待です。これまで金賞2回、銀賞1回を受賞しています。

    13
    九州 熊本県 天草市立本渡中学校(指揮/佐佐木仁) ※2年連続5回目

    3/序曲「謝肉祭」(A.ドヴォルザーク/鈴木英史)

    ドヴォルザークが50歳を過ぎた1891〜1892年に 《自然の中で》《オセロ》《謝肉祭》という3つの演奏会用序曲を書いています。「謝肉祭」はコンクール自由曲としての演奏は非常に少なく、1976年(阪急百貨店・秋田城南中)、2008年(安城学園高)の3団体のみとなっており、実に17年ぶりの登場です。これまで銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。

    14
    九州 福岡県 福岡市立城南中学校(指揮/岩田純子) ※5年連続7回目

    3/交響組曲第2番「GR」より トレインチェイス・エディション (天野正道)

    コロナ中止を挟んで7大会連続での出場。出場すべて自由曲は邦人作品でであり、天野作品も3回目(天雷无妄、カプレーティ、GR)となります。GRは1992年から7年間にわたり制作されたオリジナルビデオアニメ「ジャイアントロボ」のサウンドトラックより、作曲者の天野氏自身が管弦楽作品として再構成・編曲を行ったものを、大規模吹奏楽編成へと書き改めたものです。個人的にも好きな作品であり、快演を期待しています。これまで金賞2回、銀賞2回、銅賞2回を受賞しています。

    15
    西関東 埼玉県 朝霞市立朝霞第一中学校(指揮/清水亜樹) ※5年連続9回目

    1/「ポカホンタス」より(A.メンケン/宍倉晃)

    昨年から代表枠が2つとなった西関東支部。しっかりと代表入りです。ポカホンタスはヨーロッパに初めて渡ったアメリカインディアンの女性で実在の人物。この人物を扱ったディズニーの33番目のアニメ映画「ポカホンタス」(95年公開)からの音楽です。メンケンはこの作品で第68回アカデミー賞(歌曲賞・作曲賞)を受賞しました。2009年に埼玉栄が全国大会初演して以来の登場です。金賞受賞は2015・2018年の2回で、コロナ明けは銀賞が続いています。中学部門のトリを金賞で飾ってほしいところです。これまで金賞2回、銀賞6回を受賞しています。


    ※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。


    Back

    Next